今月の主題 膠原病—活動性の評価と治療の選択
膠原病の診断—診断基準の適用と問題点
粕川 禮司
1
1福島県立医科大学・第2内科
pp.2215-2218
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900573
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●全身性エリテマトーデス
1982年に全身性エリテマトーデス(SLEと略)の分類基準1)が改訂された.この基準の感度は96%,特異度は96%であり,1971年のSLE分類予備基準の感度90%,特異度98%より感度が高い.
1971年の14項目が整理されて,11項目になった(表1).脱毛とRaynaud現象が除かれ,血清反応が整理され,自己抗体の重要性が強調され,螢光抗核抗体が1項目となり,抗DNA抗体と抗Sm抗体が免疫学的異常項目に追加された.症状として,関節炎(80%)と皮疹(70%)が多く,腎障害は60%程度である.検査所見としては,抗核抗体が95〜99%とほぼ全例に認められ,もっとも有力な検査項目である.ついで白血球減少(71%)が多い.補体価低下(43%)は診断基準にはないが,抗核抗体陽性とほぼ同程度に診断上重要であり,疾患の活動性や臨床経過の観察には抗核抗体力価より,より鋭敏である.
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