特集 福祉機器の適用基準
車いすの適用基準
小嶋 功
1
Ojima Isao
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院リハビリ療法部
pp.468-476
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105581
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1.はじめに
福祉用具全般に関してその適用を考える時に留意しておかなければならない事項としては,①使用者自身の自立や生活拡大に結びつくもの,②介護者の介護量軽減を図れること,③様々な生活環境場面や住宅構造に応じた使用形態に対応できること,などがあげられる.
とりわけ車いすに求められる機能的要素としては,使用者の座位保持能力や移動(移乗)能力,更に住宅構造や生活機器と福祉用具機器関連,職業,余暇などとの使用形態に基づいた適切な選択が求められる.理学療法士は,ベッド上での端座位姿勢が保持できるようになると,座位保持はADL自立への基点と捉え,移動・食事・排泄・整容の早期自立はもとより,精神的活動,全身機能の改善や廃用症候群の予防などを目的に,車いす座位保持姿勢や操作指導を日常的に行っている.
市販されている各種車いすを個々の身体的・生活環境的な条件からの適用を図るためには,車いすの特性ならびに給付形態,使用側からみた車いす適用について熟知しておくことが肝要である.本稿では,車いすの適用基準を考える際に必要な事項について概説してみたい.
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