今月の主題 ベッドサイドの痴呆学
検査でどこまでわかるか
血液・脳脊髄液の生化学的検査
飯島 節
1
1東京大学医学部・老年病学
pp.2128-2129
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900555
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今日の臨床医学において,血液生化学的検査はきわめて重要な位置を占めている.しかし,中枢神経系は血液脳関門により循環する血液から隔てられているため,中枢神経疾患における血液検査の有用性には限界がある.一方,脳脊髄液からは血液脳関門の内側の貴重な情報を得ることができるが,髄液は血液ほど自由には循環していないので,そこから得られる情報は脳全体を正しく反映するとは限らない.とはいえ,血液や髄液の検査は患者に与える侵襲がきわめて少ないという大きな利点があり,痴呆疾患の診断にもおおいに活用されるべきである1).
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