基礎講座
脳脊髄液(髄液)検査と関連疾患
保科 ひづる
1
1諏訪中央病院 技術部検査科
キーワード:
IgG
,
Serum Albumin
,
髄膜炎-ウイルス性
,
髄膜炎-無菌性
,
髄液
,
髄液圧
,
脈絡叢
,
髄膜炎-クリプトコッカス
,
髄膜炎-細菌性
,
診断禁忌
,
糖類
,
髄液検査
,
脳脊髄液循環
Keyword:
Meningitis, Cryptococcal
,
Meningitis, Bacterial
,
Cerebrospinal Fluid Pressure
,
Choroid Plexus
,
Cerebrospinal Fluid
,
Meningitis, Viral
,
Meningitis, Aseptic
,
Sugars
,
Immunoglobulin G
,
Serum Albumin
pp.278-287
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/J01436.2021138931
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・画像検査とともに髄液検査は、脳神経系疾患には欠かせない検査であり、診断や病態把握、治療に重要な役割をもっている。・髄液中に細菌や腫瘍細胞を認めた場合は、確定診断となる。・画像的に判断がつかないくも膜下出血は、髄液の外観が無色透明であれば否定できる。・髄液中の蛋白増加を認め、細胞数増加や糖低値がないことで診断される病態があり、蛋白量に特異性はないが、免疫介在性疾患では診断や治療効果の判定に役立つ場合がある。・髄膜炎と脳炎の違いは、病理学的には炎症が脳軟膜やくも膜にとどまるものを髄膜炎というのに対し、脳実質まで及ぶものを脳炎という。頭痛や発熱、項部硬直、ケルニッヒ徴候など髄膜刺激徴候に加え、意識清明から高度意識障害、幻覚、妄想、錯乱、意識の変容、性格変化、痙攣や失語など症状がみられる場合に脳炎を疑う。
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