今月の主題 抗生物質の使い方
内科的感染症と抗生物質投与法
MRSAコロニゼーションの管理
小田切 繁樹
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター・呼吸器科
pp.1194-1196
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900299
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MRSAはDMPPC実用化の1年後の1961年にすでにその存在が認められていた1)が,この感染症が臨床上注目されるようになったのは欧米では1970年後半からであり,わが国では第2世代セフェム系抗生剤が汎用されるようになった1982年頃からである2).その後の本菌の増加は今更申すまでもなく,今や,多くの臨床家は本菌への対処を避けるわけにはいかないまでになった.
本菌の臨床的重要性は,いうまでもなく,その強毒性と多剤耐性性にあり,ひとたび本菌の感染が成立すれば難治・重症化し,有効な治療薬も少ないことから,何よりも予防に重点をおくべきであろう.
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