今月の主題 呼吸不全の臨床
呼吸不全のリハビリテーション
在宅酸素療法のすすめ方
饗庭 三代治
1
,
家永 浩樹
1
,
吉良 枝郎
1
1順天堂大学医学部・呼吸器内科
pp.844-845
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900218
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慢性閉塞性肺疾患,肺結核後遺症などに起因する慢性呼吸不全症例における肺性心の合併を予防し,予後の改善を図ろうとするのが酸素吸入の目的である.かかる観点から,病状が安定している症例に対して,家庭生活を可能とし,さらには社会・職場へと復帰することを促すといった生活の質を向上させるために,在宅で酸素療法を施行するのが在宅酸素療法の目的である.また,米国のNOTT1)(Nocturnal Oxygen Therapy Trial)や英国のMRC2)(Medical Research Council)のグループによって,本療法による予後の改善が報告されている.
わが国においても,昭和60年3月に本療法に健康保険が適用されて以来,急速に普及してきた.なお,厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班において調査された本療法実施症例数を,慢性呼吸不全の基礎疾患別に表1に示した3).
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