プログレス
在宅酸素療法
萩原 弘一
1
1東京大学
pp.795
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102894
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安静時PaO2 60 Torr以下の患者,すなわち慢性呼吸不全患者に対する在宅酸素療法は,1985年3月に社会保険が適用されて以来急速に普及している.厚生省特定疾患「呼吸不全」調査研究班の全国調査によると,社会保険適用後約2年間で,約5500例が在宅酸素療法を新規に開始したという.
酸素供給源としては,酸素濃縮器(膜型,吸着型),酸素ボンベがある.膜型は静隠であるが得られる酸素濃度が低く,吸着型はややうるさいが高濃度酸素が得られる.また,酸素ボンベは100%酸素が得られるが,頻繁にボンベの交換を必要とする.それぞれ一長一短があるが,最近では吸着型の使用が増している.装置の改良も進み,計量化,静隠化が計られ,一部には携帯型の製品も発表されている.
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