今月の主題 呼吸不全の臨床
慢性呼吸不全の臨床
気管支肺胞洗浄(BAL)検査の適応と限界
長井 苑子
1
,
泉 孝英
1
1京都大学胸部疾患研究所・臨床免疫(第2内科)
pp.770-771
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900192
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気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage;BAL)とは,気管支ファイバースコープを気管支の亜〜亜々区域に襖入し,側管から,通常200〜300mlの生理的食塩水で肺胞領域を洗浄し,細胞成分・液性成分の採取を行う技法である.BALは呼吸器疾患の診断,病態生理学的研究,ときには治療の目的で用いられる1-4)が,診断目的で行うときには必ずしも200〜300mlもの大量で洗浄する必要はない.100ml程度,患者の状態によっては50 ml程度の少量で十分である.
本稿においては,呼吸困難を愁訴として受診したびまん性肺疾患の診断においてBAL検査はどのように有用であるかについて,1979年11月より1989年12月までに行った自験1,522例の経験を中心に記すことにする.
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