特集 この1冊でもう安心!—内科医が押さえておきたい「しびれ・ふるえ・めまい」の診かた
Column
しびれイコール脳神経内科?
岩崎 靖
1
1愛知医科大学加齢医科学研究所
pp.1033
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229612
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しびれがあるというだけで脳神経内科に紹介されてくる患者は多いが,実際には整形外科,血管外科,内分泌内科,婦人科,心療内科的な治療を要することも多く,脳神経内科的な専門治療を要する疾患であることはそれほど多くない.しびれの部位が神経支配に一致していない場合や,神経伝導速度検査や種々の画像検査を駆使しても異常が見つからない場合には,神経症や仮面うつ病,更年期障害,自律神経失調症なども疑わなければならず,最近はストレスや神経症の転換性障害による顔面や全身のしびれを訴える患者も多い.神経障害の有無を鑑別するのが脳神経内科医の仕事であるが,最初から適切な科へ紹介することが重要であることは言うまでもないので,まず鑑別診断をしっかり行っていただきたい.また,しびれを訴えたというだけで,ビタミンB12製剤やビタミンE製剤が漫然と長期投与されている患者をしばしば経験するが,まず適切な鑑別診断を行ってから投与することが重要である.
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