特集 この1冊でもう安心!—内科医が押さえておきたい「しびれ・ふるえ・めまい」の診かた
Column
しびれの診察は問診が重要
岩崎 靖
1
1愛知医科大学加齢医科学研究所
pp.1028
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229610
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患者の訴える「しびれ」の内容は多彩で捉えにくい場合が多く,診断には具体的な問診がきわめて重要である.問診で「しびれ」の内容を理解し,ある程度鑑別診断をつけなければ,いくら慎重に診察,検査をしても「しびれ」の多くは原因を特定することはできないと言っても過言ではなく,逆に神経学的所見をとる前に問診で大体の診断がつくことも多い.「しびれ」の問診で重要な点は,患者の訴える「しびれ」が感覚障害であるかどうかをまず確認し,その性状を具体的に把握することである.患者が訴える感覚障害の具体的な内容は「ビリビリする」「ジンジンする」,「チクチクする」,「ほてる」,「感覚が鈍い」などがあり,「触ると痛い」などの痛みの要素を伴うこともある.これらが混在していたり,問診では判別が難しかったりすることもあり,神経学的な用語を正確に使うことを意識するよりも,患者の訴えを理解し,具体的に記載するほうが有用である.
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