特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
潜因性脳梗塞患者における長時間心電図モニター検査
編者からのコメント
平野 照之
1
1杏林大学医学部脳卒中医学教室
pp.518
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228799
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脳梗塞における心房細動の存在はきわめて重要である.臨床病型にかかわらず,さらに言えば脳梗塞の原因でなくとも,心房細動があれば再発予防に抗凝固療法が推奨される.現在の抗凝固療法は直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)が主流であり,患者に応じた最適な薬剤が選べる.DOACはワルファリンより安全性・有効性に優れるが,保険適用は心房細動(と深部静脈血栓症)に限られる.植込み型心臓モニター(ICM)の導入理由として「DOACを使用可能にするため」という説明は十分な納得を得られよう.さらに心房細動が確認できれば,左心耳閉鎖術や左心耳切除術,またアブレーションによるリズム是正療法といった治療選択肢も広がる.BNPや心房期外収縮が,将来の心房細動検出のバイオマーカーとなり得るという報告はあるが1),ここは「The longer, the higher」を支持したい.
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