特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
潜因性脳梗塞患者における長時間心電図モニター検査
Con 発作性心房細動は1週間モニターすれば十分である
宮﨑 雄一
1
1湘南鎌倉総合病院脳卒中診療科
キーワード:
塞栓源不明の脳塞栓症
,
ESUS
,
潜在性心房細動
,
長時間心臓モニタリング
Keyword:
塞栓源不明の脳塞栓症
,
ESUS
,
潜在性心房細動
,
長時間心臓モニタリング
pp.514-517
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228798
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発症原因を特定できない脳梗塞を包括する用語として古くは「潜因性脳梗塞(cryptogenic stroke:CS)」が用いられていたが,近年の画像診断の進歩によりCSの多くが塞栓性機序であることが判明し,より病態に即した疾患概念として「塞栓源不明の脳塞栓症(embolic stroke of undetermined source:ESUS)」が提唱された1).ESUSの潜在性塞栓源となる病態は多岐にわたるが,これらのなかで最も重要と考えられるのが潜在性心房細動である.なぜなら,非弁膜症性心房細動を有する脳梗塞患者の再発予防として,ワルファリンおよび直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)の有効性が確立しているからである2,3).一方で,CS/ESUS患者に対するDOACは,アスピリンと比較して脳卒中再発を減少させず,大出血に関しては差がないか増加させることが示されており4,5),現行のガイドラインでは推奨されていない6).そのため,ESUS患者に潜在する心房細動をいかに検出するか,ということに焦点が当てられてきた.
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