特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
脳梗塞の脂質管理
編者からのコメント
平野 照之
1
1杏林大学医学部脳卒中医学教室
pp.536
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228806
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編者は「The lower, the better」を支持する立場である.特にアテローム血栓性脳梗塞は全身血管病の1つであり,原因となった不安定プラークの安定化が,病状を安定させ増悪や再発を防ぐための鍵となる.虚血性心疾患における冠動脈プラーク退縮はLDLコレステロール(LDL-C)<70mg/dLを達成した場合に観察される1).同様にTST-PLUS研究においてLDL-Cの厳格管理群で頸動脈プラークに有意な退縮が認められている2).以前であれば70mg/dL未満は厳しい数値目標であったが,スタチンに加えエゼチミブやPCSK9阻害薬を使用することで達成できるようになった.一次予防ではLDL-C目標<100mg/dLも許容されるが,二次予防となれば<70mg/dLまで踏み込むべきであろう.
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