特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
非心原性脳梗塞に対する静注抗血栓薬(オザグレル,アルガトロバン)の使用
編者からのコメント
平野 照之
1
1杏林大学医学部脳卒中医学教室
pp.490
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228790
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
血小板系と凝固系の両者を遮断するdual pathway inhibition(DPI)は,永金氏が述べているように「一次止血の主役である血小板と二次止血の鍵を握るトロンビンの両者をコントロール」することでvascular protectionも期待されている.海外では基礎薬アスピリンに,内服で抗Xa因子阻害薬1)あるいは新規の第XIa因子阻害薬2)を追加したDPI開発がトピックとなっている.アルガトロバンと抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)のカクテル療法は日本でこそ可能なDPIの先駆けと言えよう.一方,クロピドグレルの遅延効果発現やpoor responder問題は,各々ローディング投与とプラスグレルへの変更で解決されつつある.現時点でオザグレルを併用する意義は乏しい.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.