特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
脳卒中後てんかん:薬物治療の適応と開始時期
編者からのコメント
平野 照之
1
1杏林大学医学部脳卒中医学教室
pp.553
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228812
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国際抗てんかん連盟(ILAE)の実用的定義(2014年)によると,1回の非誘発性発作(late seizure)も,その後10年で60%以上の再発リスクがあれば脳卒中後てんかんと診断される.CAVE,SeLECTスコアの登場で,この定義も実効性のあるものとなってきた.さてガイドラインでは,急性症候性発作(early seizure)の頓挫目的で開始した抗発作薬(anti-seizure medication:ASM)は,late seizureが生じない限り,漸減・中止することを推奨している1).一方,急性症候性発作それ自体は脳卒中後てんかんの大きなリスク因子である.編者の施設ではCAVE≧3,SeLECT≧6の高スコア例(特に,脳波異常が確認される場合)では,将来に備えearly seizure後にASMを継続することも少なくない.
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