特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
急性期画像診断:灌流画像の有効性・必要性
編者からのコメント
平野 照之
1
1杏林大学医学部脳卒中医学教室
pp.481
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228787
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編者の考える6時間以内の灌流評価の意義は,梗塞拡大速度(fast progressorか否か)と治療許容時間の把握の2点である.RESCUE-Japan LIMIT試験は広範囲梗塞(ASPECTS 3〜5)へ適応を拡大したが,これはfast progressorにおけるfutile recanalization(転帰改善効果のない再開通)も増やし得る.治療手技に難渋する場合,勇気ある撤退も視野に入れるべきであり,灌流画像はその拠り所にできよう.一方,灌流画像が重要な役割を果たすと考えられてきたlate time window(発症後6時間以上経過した症例)において,MR CLEAN-LATE試験は単純CTのみで血栓回収療法の有効性を示すことに成功している1).編者の結論は,灌流画像は治療ターゲット探索の必須アイテム,得られた知見は現場の汎用的手法で代替,である.
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