特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)の治療
Pro ESUSの再発予防にはアスピリンを用いるべきである
園田 和隆
1
1済生会福岡総合病院脳神経内科
キーワード:
塞栓源不明の脳塞栓症
,
ESUS
,
アスピリン
,
二次予防
Keyword:
塞栓源不明の脳塞栓症
,
ESUS
,
アスピリン
,
二次予防
pp.520-522
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228801
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ESUS,DOAC以前
虚血性脳卒中の再発予防においては,患者病態に即した抗血栓薬の使用が求められる.脳梗塞病型は以前よりTOAST分類に準拠することが多く,ラクナ梗塞,心原性脳塞栓症,アテローム血栓性脳梗塞以外の脳梗塞は潜因性脳梗塞(cryptogenic stroke:CS)として分類されており,WARSS試験のサブ解析ではCSにおいて,ワルファリンのアスピリンに対する有益性は示されなかった1).2014年に入り,塞栓源不明の脳塞栓症としてembolic stroke of undetermined source(ESUS)の概念が提唱された2).これは従前のCSから原因がはっきりした脳梗塞を除き,画像所見から塞栓症が示唆される脳梗塞の一群を指している.その原因として,急性期に同定し得なかった心房細動が原因である可能性が高いと考えられていた.また,一方で抗凝固療法としてワルファリンに比して有意に出血リスクが低い直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)が複数実用化されたことで,ESUSに対してDOACの有効性が期待されることとなった.
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