特集 令和の脳卒中ディベート10番勝負—脳卒中治療ガイドライン2021とその先を識る
ディベート・セクション 10番勝負
急性期画像診断:灌流画像の有効性・必要性
Con 灌流画像は不要であり発症6時間以内はDWIコア体積で判断する
植田 敏浩
1
1聖マリアンナ医科大学東横病院脳卒中センター脳血管内治療科
キーワード:
Diffusion weighted image
,
thrombectomy
,
DWI-FLAIR mismatch
Keyword:
Diffusion weighted image
,
thrombectomy
,
DWI-FLAIR mismatch
pp.477-480
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228786
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
急性期脳梗塞に対する再開通療法を迅速に安全に施行するためには,画像診断はきわめて重要である.臨床試験では,CTまたはMRIを用いた灌流画像によってペナンブラや虚血コアを評価したうえで,発症6〜24時間の症例に対する治療選択を行うことが推奨されている1).急性期脳主幹動脈閉塞に対する再開通療法(血栓回収療法)は,すでに標準的な治療として『脳卒中治療ガイドライン2021』で強く推奨されている2).
しかし実際には灌流画像を治療前にルーチンで行う施設は少ないのが現状であり,特に発症6時間以内の患者では灌流画像の有用性について十分なエビデンスはない.本稿では,灌流画像の問題点を述べるとともに,一般臨床において,発症早期の場合には灌流画像は必ずしも必要なく,MRI拡散強調像(diffusion weighted imaging:DWI)による患者選択で治療を行うことの妥当性について述べる.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.