特集 “のど・はな・みみ”の内科学
扉
石丸 裕康
1,2
1天理よろづ相談所病院総合診療教育部
2天理よろづ相談所病院救急診療部
pp.940-941
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227659
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『medicina』誌は1964年創刊とのことであり,長い歴史をもつ内科臨床雑誌の草分けである.最近は便利なもので,電子ジャーナルで昔の論文も比較的容易に参照することができるが,その創刊号に「患者の声」として,娘が4歳時に発症した症状が,「側頸瘻」の診断に至り,手術で完治するまで14年を要したという主婦の寄稿が掲載されている.解決に至るまでの紆余曲折を振り返り,「最初にかかった医師が適切な専門医に紹介状を書いてくれていたら,14年の空費はなかったのでは」と嘆きつつ,「患者をすぐ最適な医師へ送るルートを制度化してほしい」と結ばれている.
現在においても,日々の診療で,内科医は常にこのような問題に直面している.どこにかかればよいのかよくわからないような問題は,まず内科で相談される,といったことは読者のみなさんも日々経験することだろう.内科はその診療の性格上,幅広い問題を扱うことが求められる.真摯にそのニーズに向き合うためには,自分の専門領域の疾患の診断・治療にとどまらない,他の診療科も含めた広範囲な生涯学習を行わなければならない.
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