特集 いまさら聞けない! 肝胆膵疾患—みなさんのギモンに答えます
膵疾患
急性膵炎に対する造影CTスキャンと急性壊死性貯留(ANC)への対応
赤尾 潤一
1
,
清水 京子
1
1東京女子医科大学消化器内科
キーワード:
急性膵炎
,
膵局所動注療法
,
急性壊死性貯留
,
ANC
Keyword:
急性膵炎
,
膵局所動注療法
,
急性壊死性貯留
,
ANC
pp.498-501
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227485
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急性膵炎とは膵臓の急性炎症で,他の隣接する臓器や遠隔臓器にも炎症を及ぼし得るものである.急性膵炎は良性疾患であるが,その経過で致死的となることもあり得る疾患である.重症急性膵炎の死亡率は2011年の全国調査1)では10.1%で,2016年に正宗ら2)が行った調査では6.1%と改善を認めているが,初期対応が不十分であると致死的な経過に陥る可能性があることを念頭に置いて診療に当たる必要がある.
急性膵炎の受療患者数は,2003年の調査時には35,300人であったが2007年には57,560人,2011年には63,080人と年々増加している1).そのため,専門医のみではなく,開業医,研修医を含むすべての臨床医が,腹痛,背部痛を主訴に受診された際に急性膵炎の診断,重症度判定を行える必要がある.
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