今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例
Ⅱ.腹部超音波
原発性硬化性胆管炎
内村 智也
1
,
丸山 憲一
1
1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
キーワード:
腹部エコー
,
胆管癌
,
ERCP
,
肥厚
,
リンパ節腫大
,
レポート
,
胆管壁肥厚
,
IgG4関連硬化性胆管炎
,
炎症性腸疾患
Keyword:
腹部エコー
,
胆管癌
,
ERCP
,
肥厚
,
リンパ節腫大
,
レポート
,
胆管壁肥厚
,
IgG4関連硬化性胆管炎
,
炎症性腸疾患
pp.660-664
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202386
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本疾患の超音波検査所見
原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)は肝内外胆管のびまん性壁肥厚や拡張・狭窄が特徴とされている.超音波検査では,通常胆管壁の層構造は確認できない場合が多いが,PSCにおいては胆管壁に内側低エコーと外側高エコーの層構造が保たれた壁肥厚を認め,内膜面は整で均質な肥厚であることが多いとされる.胆管造影では特徴的な所見があるが,超音波検査では肝内胆管は限局的な拡張としか描出されないことも多い.胆管以外の所見としては胆囊腫大,肝門部・胆管周囲のリンパ節腫大を認めることがある1).
原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis:PBC)では,肝内小型胆管が選択的に障害されるのに対し,PSCは肝外胆管と比較的太い肝内胆管が障害される.PSCが進行するにつれ,肝実質の不整がみられる場合がある.
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