連載 フレーズにピンときたら,このパターン! 鑑別診断に使えるカード・1【新連載】
「CRP上昇に乏しい発熱」「血圧低下のない乳酸アシドーシス」「問診や診察,通常検査でfocusがわかりにくい発熱」
長野 広之
1
1洛和会丸太町病院 救急総合診療科
pp.160-166
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226689
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総論
われわれが炎症の指標として使っているCRPであるが,CRPとは何かを知っているだろうか? CRPは“C-reactive protein”の略称で,この“C”はcapsular polysaccharide(C多糖類)を指し,肺炎球菌のC多糖類とこの蛋白が反応することに由来する.CRPは感染,炎症,細胞障害をきっかけに上昇するサイトカイン(主にIL-6,その他にIL-1β,Tumor Necrosis Factor-α)により肝細胞でCRP geneに作用し産生され血中に放出される.CRP産生は感染などの刺激から4〜6時間後から始まり,8時間後ごとに倍々となり36〜50時間後にピークを迎える1).
CRPはただの反応蛋白ではなく,以下の役割をもつ(図1)2).
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