発行日 1949年2月15日
Published Date 1949/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906429
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17日の夕刻だつたが,硫黄島の側を通過すると云ふとき皆,心待ちに待つたが,終に水平線上に認めることは出來なかつた。一同上甲板に整列して水平線に折しも落ちゆく夕陽を浴びて黙?を捧げたときの敬虔な氣持は今も心に殘つてゐる。
我が日本の存亡を決したあの小島,今はどんなに變化してゐることだらうか,船から1人とび降りて行き度いと京子は思つた。
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