特集 枠組みとケースから考える—消化器薬の選び方・使い方
上部消化器疾患
胸焼け—胃食道逆流症(GERD)
長屋 寿彦
1
1JA岐阜厚生連東濃厚生病院消化器内科
pp.18-23
発行日 2019年1月10日
Published Date 2019/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225979
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
◎胃食道逆流症(GERD)は胃食道逆流(GER)により引き起こされる食道粘膜傷害と煩わしい症状のいずれかまたは両者を引き起こす疾患と定義されている1).
◎日本では,食生活の欧米化やHelicobacter pylori感染率の低下,除菌治療の普及に伴う日本人の相対的な胃酸分泌の増加に伴い2),GERDは増加している3).
◎GERD診療ガイドラインでは,初期診療の第一選択としてプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用が推奨されている1).
◎近年,標準量のPPIを8週間内服しても食道粘膜傷害が治癒しない,またはGER由来と考えられる症状が十分に改善しないPPI抵抗性GERDも多いことが明らかになってきた4).
◎日本では2015年に従来のPPIより酸分泌抑制効果が強力なカルシウム競合型アシッドブロッカー(P-CAB)であるボノプラザン(タケキャブ®)が発売された.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.