増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬
代謝・栄養障害薬
副甲状腺ホルモン,ビスホスホネート製剤,抗RANKL抗体
竹内 靖博
1
1虎の門病院内分泌センター
pp.344-348
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225476
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Question & Answer
Q ビスホスホネートあるいは抗RANKL抗体を処方中の歯科治療に関する不安については,患者と歯科医師に対してどのように説明すればよいでしょうか?
A これらの薬剤のもつ骨代謝を強力に抑制するという薬理作用と,抜歯を契機とすることが多い顎骨壊死症の発症機序との間には関連性が想定されており,厳密な意味での安全対策を求めることには無理があります.しかしながら,①口腔内衛生に日頃から心がける,②抜歯時の予防的抗菌薬投与,③抜歯後の閉創などにより,顎骨壊死症の頻度を著しく低下できることが明らかにされています.そのため,患者には骨粗鬆症治療前に歯科受診を勧め,骨粗鬆症治療を前提とした口腔内の評価を受けていただくことと,骨粗鬆症の治療内容を歯科医に伝達しておくことが望まれます.なお,ビスホスホネートによる重篤な有害事象の発現率は,交通事故時のシートベルト着用に由来する障害発生率と同程度という報告があり,患者ならびに専門でない医療従事者にわかりやすい比喩かもしれません.
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