透析骨症revival-その治療の展開
骨量増加を目指した治療 抗RANKL抗体
平松 里佳子
1
,
星野 純一
1虎の門病院腎センター 内科
キーワード:
Calcitriol
,
血液透析
,
骨疾患-代謝性
,
骨密度
,
低カルシウム血症
,
慢性腎臓病
,
Denosumab
Keyword:
Denosumab
,
Bone Diseases, Metabolic
,
Calcitriol
,
Hypocalcemia
,
Renal Dialysis
,
Bone Density
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.1645-1651
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017084632
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慢性腎臓病(CKD)患者では加齢などのリスクに加えchronic kidney disease-mineral and bone disorder(CKD-MBD)の生化学異常が出現し一般人口に比較して骨折リスクが高い.骨折予防としては,CKD-MBDの生化学異常の是正が基本であるが,骨折リスクの高い症例に対して骨粗鬆症薬の使用が検討される場合がある.抗RANKL抗体デノスマブは破骨細胞の分化に必要なRANK/RANKL経路を阻害する骨吸収抑制薬である.腎排泄であるビスホスホネート製剤と異なり蓄積性がないためCKD患者においても使用に期待のもてる薬剤ではあるが,とくに生化学異常をきたした進行したCKD患者においては高度の低Ca血症の発現の可能性が懸念される.投与時には十分量の活性型ビタミンD製剤の併用を行い,また投与後の血清Ca値の推移を慎重に経過観察し血清Ca値の補正に十分な注意を払うことが重要である.
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