連載 いま知りたい 肺高血圧症・3
肺高血圧症治療薬の進歩
渡邉 裕司
1
1浜松医科大学臨床薬理学・臨床薬理内科
pp.2460-2465
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223874
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肺高血圧症のなかでも肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)は,慢性進行性の肺血管増殖を特徴とし,きわめて不良な予後経過をたどる難治性疾患と考えられてきた.しかし,肺動脈の拡張・収縮を調節するシグナル経路であるプロスタサイクリン(PGI2)-cAMP経路,エンドセリン経路,一酸化窒素(NO)-cGMP経路のそれぞれに対応したプロスタサイクリン製剤,エンドセリン受容体拮抗薬,ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬や可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬が登場し,PAH患者の予後は大きく改善している(図1).本稿では,このような肺高血圧症治療薬の進歩について紹介する.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.