連載 知っておきたいこと ア・ラ・カルト
漢方薬による肺高血圧症
石井 聡
1
,
皆月 隼
1
1東京大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
漢方薬による肺高血圧症
Keyword:
漢方薬による肺高血圧症
pp.1604-1606
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.10_036
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疾患概念
肺動脈性肺高血圧症pulmonary arterial hypertension(PAH)は,肺細小動脈の狭窄により肺血管抵抗の上昇をきたす疾患である.PAHは種々の要因に伴って発症するが,サブグループの一つに薬物・毒物誘発性PAHが含まれる.2022年欧州心臓病学会/欧州呼吸器学会(ESC/ERS)肺高血圧症ガイドラインではPAHの発症に関連する薬剤が列挙されており,さらに症例対照研究あるいは大規模多施設共同研究に基づくデータが存在する薬物は「確実な関連性あり(Definite association)」,複数のケースシリーズや類似の作用機序をもつ薬剤の症例報告が複数ある薬剤は「関連の可能性あり(Possible association)」に分類されている.その中の一つに漢方薬も含まれており,特に青黛(indigo naturalis/ Qing Dai)が注目されており,本稿では青黛とPAHについて概説する.

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