特集 外来で診るリンパ腫・骨髄腫—治癒または長期共存を目指して
リンパ系腫瘍に関する治療開発のトピックス
B細胞受容体およびTLRシグナルとその阻害薬開発
照井 康仁
1
1がん研有明病院血液腫瘍科
pp.2190-2194
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223815
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ポイント
●成熟B細胞はその一生を通して機能的B細胞受容体(BCR)の持続的発現のために厳格に選択され,BCRの喪失は急速な細胞死を導く.
●B細胞腫瘍の多くは機能的BCR依存性のままである.
●BCR阻害薬には脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害薬であるfostamatinib,Bruton型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるibrutinib,PI3キナーゼ(PI3K)阻害薬であるidelalisiobなどがある.
●MYD88L265P変異はWaldenströmマクログロブリン血症のほぼ100%,慢性リンパ性白血病の2〜10%,ABCタイプびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の29%,皮膚DLBCLの69%,原発性中枢神経リンパ腫の38%で認められる.
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