今月の主題 慢性心不全を最近の知見から整理する―病態生理から治療まで
心不全の病態を理解するための基礎知識
交感神経受容体からのシグナル伝達の変化
吉川 勉
1
1慶應義塾大学医学部内科学呼吸循環
pp.1794-1796
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101149
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ポイント
慢性心不全に陥った心筋では,交感神経β受容体シグナル伝達はさまざまな段階で障害されており,交感神経刺激に反応しにくい状態になっている.
レニン・アンジオテンシン系は細胞内クロストークを介して,交感神経シグナリングと連携している.
拡張型心筋症患者の約4割がβ1アドレナリン受容体に対する自己抗体を有する.
βアドレナリン受容体の遺伝子多型は,心不全の病態,生命予後,薬物の反応と密に関係する.
交感神経系,特にβ1アドレナリン受容体は心肥大やアポトーシス誘導に関与することが明らかとなってきた.
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