特集 内科プライマリケアのための消化器診療Update
小腸・大腸疾患
大腸憩室症
水城 啓
1
,
永田 博司
1
1けいゆう病院内科
pp.1722-1726
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223705
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ポイント
●近年,食生活の欧米化や,高齢化社会を迎え大腸憩室症が増加している.大腸憩室症は合併症である憩室炎や憩室出血がなければ積極的な治療は必要ない.
●憩室炎では,内腔の閉塞ではなく粘膜のびらんから局所壊死を伴い,microperforationをきたすことにより発症する.
●軽症から中等症の憩室炎は,全身状態が良く重篤な併存疾患がない場合には,経口抗菌薬による外来治療が可能である.
●憩室出血は下部消化管出血の原因として最も頻度が高い.
●低用量アスピリンを含むNSAIDsは憩室出血のリスクを増加させるため,憩室症の症例への投与にあたり十分な注意が必要である.
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