増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
細菌関連検査
梅毒血清反応
鷲野 巧弥
1
,
大西 健児
1
1東京都立墨東病院感染症科
pp.546-547
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223379
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
検査の概要
梅毒はスピロヘータの一種であるTreponema pallidum(T. pallidum)の感染による全身性の感染症である.感染症発生動向調査によれば,2001年は585例であった報告数が,2013年には1,226例と増加傾向にあり,今後も注意すべき疾患である.
病原体の分離がなされれば確定診断となるが,in vitroでの培養は不可能である.また,皮膚病変検体を用いた暗視野鏡検法や蛍光抗体法は研究室以外では一般的ではない.したがって,梅毒の診断には血清反応が用いられることが多いが,臨床所見と併せて総合的に診断する必要がある.梅毒血清反応には大きく2種類があり,非特異的脂質抗原を用いる非トレポネーマ検査と,梅毒トレポネーマ抗原を用いるトレポネーマ検査とがある.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.