Ex Laboratorio Clinico・35
梅毒血清反応・1
緒方 富雄
1
,
徳永 栄一
2
,
原 一郎
3
,
阿部 正英
4
,
松橋 直
5
1東大
2日赤血液センター
3東京医歯大
4国立多摩研究所
5国立予防衛生研究所
pp.1390-1395
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915302
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
我が国における梅毒血清反応の開発研究は,我が国における臨床検査で特筆大書すべきものの一つではないかと私は考えております.その理由の第一は,この研究が非常にタイムリーであったということ.すなわち梅毒が爆発的な流行があった終戦前後の時期に開発が行われたこと.第二は,方法が初めから標準化され,その方法が全国に普及したということ.第三は全国的に統一されたこと.全国津々浦々に普及したので,日本においては梅毒血清反応の成績は比較がどこでもできる.東京にいても鹿児島との比較ができる.あるいは北海道の成績を新潟でも比較できる.多くの臨床検査の方法はいろんな所で別々な源泉から出たものですから,統一が非常に困難になって,いわば群雄割拠している形でありましたが,この梅毒血清反応に限ってはそうでなかったと言えます.
ここに,この血清反応につき早くからお考えになっておられた緒方先生,そして緒方先生の門下生としてこの開発に協力した私どもが集まり,当時を思い出しながら,現在のいわゆるSTSがいかにして開発されたかを通常のEx Laboratorio Clinicoとは形を変えて座談会(全2回)の中でお話しいただいて,若い読者の参考にしていただければと考えております.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.