増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
内分泌学的検査
下垂体
GH(成長ホルモン)
三木 伸泰
1
,
小野 昌美
1
1新百合ヶ丘総合病院 内分泌代謝内科
pp.330-331
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223299
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下垂体ホルモンの分泌は,視床下部に存在する放出促進,または抑制ホルモンにより制御されている.このなかで成長ホルモン(GH)は,他の下垂体前葉ホルモンとは異なり,視床下部の2種のホルモン,すなわちGH放出促進ホルモン(GHRH)とGH放出抑制ホルモンSS(Somatostatin)により相反する制御を受けていることが大きな特徴である.さらに,GHには他のホルモンのように独立した標的臓器が存在しないことも特徴である.そこで,GHは肝臓や種々の組織に作用して成長因子の一つIGF-I(インスリン様成長因子-1)を産生し,このIGF-Iが小児ではいわゆる成長促進因子として,成長完了後は代謝調節因子として作用する.IGF-Iの血中濃度は主に肝臓由来で,思春期に最大となって18歳で成人の基準値に戻り,以後加齢とともに漸減する.
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