増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
薬物関連検査
血中薬物濃度
抗てんかん薬,向精神薬
岡島 由佳
1
1昭和大学医学部精神医学講座
pp.306-307
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223290
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検査の概要
てんかん患者の治療では,抗てんかん薬の血中薬物濃度測定(therapeutic drug monitoring:TDM)が不可欠である.指標となる治療有効濃度範囲は,効果発現閾値(下限値)と急性副作用発現濃度(上限値)の幅を,多数の症例についてみた統計学的数値である.そのため,発作抑制効果や副作用の出現について測定値が臨床的判断に先行するものではないが,抗てんかん薬の用量の決定に際し,重要な指標となる.
向精神薬で現在TDMが可能なものは,気分調整薬である炭酸リチウム,抗精神病薬であるハロペリドール(HPD),ブロムペリドール(BPD)である.精神科領域ではバルプロ酸ナトリウム(VPA),カルバマゼピン(CBZ),ジアゼパム,クロナゼパムは抗てんかん薬であるだけではなく,気分調整薬,抗不安薬としても用いられている.
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