Japanese
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特集 向精神薬の見逃されやすい副作用と対策
向精神薬および抗てんかん薬の催奇性
Teratogenicity of Psychotropic Drugs and Antiepileptic Drugs
福島 裕
1
,
近藤 毅
1
Yutaka Fukushima
1
,
Tsuyoshi Kondo
1
1弘前大学医学部精神科
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Hirosaki University
pp.291-297
発行日 1990年3月15日
Published Date 1990/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902810
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今日の精神科薬物療法においては,数多くの向精神薬(抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬,催眠薬,抗躁薬など)や抗てんかん薬が使用されている。これらのうち,抗精神病薬と抗てんかん薬は,通常,長期間の服薬が必要であり,その慢性型副作用や催奇性については,従来,特別な注意が払われてきた。一方,その他の向精神薬も,広く一般臨床科において,汎用される傾向にあり,したがって,それらの薬剤服用中の患者が妊娠する可能性とその薬剤の催奇性については常に念頭におかなければならない。
一般的に,妊娠中の服薬継続の可否については,治療による利益と不利益との双方の面から考慮される必要があるが,その重要な判断規準の一つとして,胎児への薬物の影響の問題がある。たとえば,てんかん患者においては,服薬中止は発作頻度の増加を招来しやすく,それによって,かえって,妊娠の経過および胎児への深刻な影響を生じかねない。そこで,通常,てんかん患者では,抗てんかん薬に催奇性の危険はあるものの,妊娠中も服薬を継続することが求められるわけである。このようなこともあって,抗てんかん薬の催奇性については,比較的早くから関心がもたれ,多くの報告,研究がなされてきた。一方,向精神薬の中では,lithiumの催奇性が注目されている。しかし,その他の向精神薬に関しては,動物実験の結果や症例報告が散見されるものの,未だ一致した見解には達していないようである。
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