増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
糖代謝検査
HbA1c(グリコヘモグロビン)
窪田 直人
1
1東京大学医学部附属病院病態栄養治療部
pp.235-237
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223265
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HbA1cの国際標準化に伴う表記法の変更
わが国で汎用されてきたJapan Diabetes Society(JDS)値のHbA1cは,わが国以外のほとんどの国で使用されているNational Glycohemoglobin Standardization Program(NGSP)値と比較すると約0.4%ほど低値であるという乖離が以前より指摘され,特に英文誌の原著論文や国際学会の発表において問題となっていた.日本糖尿病学会ではこの問題に対し「糖尿病関連検査の標準化に関する検討委員会」を立ち上げ,2010年7月1日より,まず英文誌や国際学会における発表においてNGSP相当値(国際標準値:JDS値+0.4)を使用することとした.一方で日常臨床においては混乱を避けるためJDS値が使用され続けた.その後2011年10月1日,検査医学標準物質機構(ReCCS)がJDS値を決める指定比較法であるKO500法で,NGSPの基準測定施設であるアジア地区secondary reference laboratory(SRL)の認証を取得した.それによりJDS値とNGSP値との関係が「NGSP値(%)=1.02×JDS値(%)+0.25%」という換算式で表現できることが確定したことを受け,診療報酬の改定に合わせて2012年4月1日よりNGSP値が日常臨床に初めて導入された.移行期間としてJDS値との併記が行われたが,2014年4月1日よりわが国のHbA1cの表記はすべてNGSP値に統一された.
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