増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
糖代謝検査
グルコース
窪田 直人
1
1東京大学医学部附属病院病態栄養治療部
pp.231-234
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223264
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
検査の概要
グルコース(ブドウ糖)は,エネルギー源として生体組織,細胞の機能維持に重要な物質の一つである.食後,腸管より吸収されたグルコースはその約10%が肝臓に,残りの90%は大循環に入り骨格筋や脂肪組織に取り込まれる.一方,絶食時には肝臓よりグリコーゲン分解や糖新生によりブドウ糖が放出される.これらの作用はインスリンやそれと拮抗するホルモン(グルカゴン,コルチゾール,カテコラミン,成長ホルモンなど),インスリン分泌増強作用を有する消化管ホルモン(インクレチン)などにより精密にコントロールされているため,血中グルコース濃度はほぼ一定の状態で維持されている.
血中グルコース濃度(血糖値)の測定は,糖尿病の診断・治療を行っていくうえで必要不可欠な検査である.近年測定は簡便に行われるようになってきているが,測定原理や方法をよく理解し,誤差が生じうることを念頭に置きながら評価する必要がある.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.