増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
窒素化合物,腎機能検査
アンモニア
神保 りか
1,2
,
下澤 達雄
3
1東都文京病院内科
2東都文京病院総合健診センター
3東京大学医学部附属病院検査部
pp.180-181
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223245
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検査の概要
アンモニア(NH3)は食事に含まれるアミノ酸の腸管細菌による脱アミノ化,消化管への分泌液に含まれる尿素の腸内細菌および腸管粘膜のウレアーゼによる分解,肝臓・腎臓におけるグルタミナーゼによるグルタミンの脱アミノ反応などで産生される.そのほか,アンモニアは,骨格筋や脳でも産生される.アンモニアのほとんどは腸管で吸収されて,門脈血中を肝臓に輸送され,尿素サイクルで尿素に変換(解毒)され,尿素は腎より尿中に排泄される.
アンモニアは高濃度になると神経毒性を持ち,アンモニア中毒の症状としては,無気力,振戦,不明瞭言語,視力不鮮明,嘔吐,昏睡,死などがある.血中アンモニア濃度測定は臨床的には意識障害の鑑別,肝性脳症や肝硬変,劇症肝炎の病態把握に重要な検査である.
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