REVIEW & PREVIEW
自己抗体の現在—いかに診療に結びつけるか
三森 経世
1
1京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
pp.190-193
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223049
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膠原病患者の血清中には,自己の細胞核や細胞質成分と反応する多種類の自己抗体が検出される.これらの自己抗体は特定の疾患や病態と密接に関連するものが多く,補助診断,病型分類,予後の推定,治療効果判定など,臨床的に有用である.
膠原病の自己抗体は臓器特異的自己抗体とは異なり,一部を除き直接の病原性が証明されていないものが多い.しかし,自己抗体の産生機序と膠原病・自己免疫疾患の発症機序は互いに深く関連し合っていると考えられ,自己抗体の検出とそれらの対応抗原の分析は,自己免疫疾患の臨床に役立つのみならず,病因・病態の解明にも重要な手掛かりを与えてくれる.
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