今月の主題 痛みの診断とその対策
痛みの対策
ターゲッティング療法薬
柳川 明
1
,
中川 武正
1
,
水島 裕
1
1聖マリアンナ医科大学・第1内科
pp.2538-2539
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222980
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非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)は,各科領域の炎症性疼痛性疾患に多用されている.しかしながら,使用頻度の増加に伴い,消化管や腎などへの副作用の回避,さらには効果の増強(主に鎮痛作用)といった点が望まれてきている.
一方,近年drug delivery systemの進歩により,既存のNSAIDsの腸溶化,徐放化,坐剤,注射剤,プロドラッグ化そして経皮吸収剤といった具合に改良され,効果はほぼ同等かそれ以上が期待でき,かっ副作用が著しく軽減できるようになった1,2).そして,より最近のDDSの動向としては,NSAIDsのprimarytargeting(病的部位への選択的薬物送達)やsecondary targeting(primary targetingに続いて,病的細胞への薬物送達)に変わりつつある.これは,少量のNSAIDsを効率良く病巣に選択的に移行させて薬理効果を発揮させるものである3).
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