今月の主題 凝固・線溶系の臨床1989
血栓性疾患の病態と診断
先天性血栓傾向
高松 純樹
1
,
利見 和夫
1
,
松下 正
1
,
濱口 元洋
1
1名古屋大学医学部・第1内科
pp.2358-2360
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222934
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先天性血栓傾向については,既に今世紀初頭にその存在が推定されていた.しかし実体が明らかになったのは1965年Egebergらにより先天性アンチトロビンIII(以下,AT IIIと略)欠乏症の報告以来である.
その後,プロテインC,S,プラスミノゲン,フィブリノゲンなどの欠乏や分子異常により血栓傾向がみられることが明らかにされてきた(表1).本稿では「I.確定的であるもの」のみならず,今後,血栓傾向との関係がより明らかになるであろう「II.可能性のあるもの」についても述べる.「III.今後,発見される可能性のあるもの」については今後の検査法の普及などで発見される可能性があると思われる.
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