増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
内分泌機能検査
156.下垂体性ゴナドトロピンと卵巣性ステロイド
仲野 良介
1
1和歌山県立医科大学・産婦人科
pp.2010-2011
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222845
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●下垂体性ゴナドトロピンと卵巣性ステロイドの分泌調節
排卵,月経を象徴的事象とする女子の性機能は視床下部-下垂体-卵巣系の機能環を中心として制御されている.
すなわち,視床下部から視床下部ホルモンであるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が分泌され,下垂体前葉からの下垂体性ゴナドトロピン,すなわち卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌を調節している.FSHとLHは卵巣において卵胞発育と成熟,排卵,黄体化,黄体退縮という一連の卵巣周期を調節しているが,FSHは主に卵胞発育に関与し,LHは排卵と黄体化に関与している.FSHの作用によって卵胞からエストロゲンが,LHの作用によって黄体化らプロゲスチンが分泌されている.このように卵巣ではoogenesis, follic ulogenesisとsteroidogenesisの機能が表裏一体をなして営まれている.
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