指標
性ステロイドホルモンの作用機構と代謝
岡田 弘二
1
Hiroji Okada
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.329-337
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205175
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ステロイドホルモンがその標的臓器の細胞で"なぜ","どのようにして"そのステロイドに特異な作用を発揮しうるかを知ることは,ステロイド研究者の長年の夢であつた。そして,これらの問題は長い間神秘のベールに包まれたまま経過したが,分子生物学の発展を基盤に,最近急速に解明されつつある。そして,このことと関連して,ステロイドホルモンーレセプターに関する研究が大きくクローズアップされ,分子生物学においてステロイドホルモン作用の研究がその先端を行くものであるとさえいわれている。しかし,このような細胞レベル,レセプターレベルでのステロイドの効果は,ステロイドホルモン産生臓器から分泌され,また投与されたステロイドそのものによるとは限らないし,また,さらにステロイドの代謝と関連して,その標的臓器での活性物質の有効濃度を規定する多くの因子が存在することは,特に注意されねばならない。すなわち,ステロイドの効果発現機構は,ステロイドの代謝の問題をぬきにしては論ぜられない。
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