増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
免疫血清検査
86.抗サイログロブリン抗体,抗マイクロゾーム抗体
玉置 治夫
1
,
網野 信行
1
1大阪大学医学部・臨床検査診断学
pp.1830-1832
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222775
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自己免疫性甲状腺疾患,すなわちバセドウ病,橋本病においては,種々の抗甲状腺自己抗体が血中に存在する1).現在わが国では,そのうちの抗サイログロブリン抗体と抗マイクロゾーム抗体が,日常検査として受身凝集反応法で測定され,自己免疫性甲状腺疾患の診断にきわめて有用と考えられている1,2).従来よりタンニン酸処理赤血球(tanned red cell)の凝集反応によって測定される抗サイログロブリン抗体がTRC抗体と呼ばれてきたが,抗マイクロゾーム抗体の測定もTRC法であり,筆者らは,前者をTGHA,後者をMCHAと略しており,現在国際的略号として定着している2).その後,赤血球の代わりに人工的粒子が開発されたが,測定結果に変わりはない.最近,英国のスミスらにより,ラジオイムノアッセイによるこれら自己抗体の測定法がキット化されているが,今後普及していくものと考えられる.
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