増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
免疫血清検査
61.HIV(HTLV-III/LAV)
吉原 なみ子
1
1国立予防衛生研究所・エイズ研究センター
pp.1770-1771
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222750
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- 文献概要
●AIDSの免疫血清学的特徴
AIDSは原因ウイルスであるHIVに感染してから発病までに数カ月から数年かかり,現在のところ残念ながら発病後治癒した報告例は見当たらない.このウイルスに感染すると,ウイルスと抗体が共存し,終生この状態を持続する.ウィルスと抗体が共存しているため,免疫学的方法で抗原を検出するのは非常に困難であり,一般的にはHIV抗体を検査して感染を推測している.HIVに感染してから抗体が検出されるまでに平均6〜8週間かかるといわれており,症例によってはウイルスが分離されてからHIV抗体が検出されるまでに約3年かかった例1)がある.
HIVの感染経路は血液,精液などからであり,B型肝炎に比べ感染力が弱いので,思い当たる行為がなければ感染は考え難い.
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