免疫化学検査法 Ⅱ 測定法の実際
4・ウイルス感染症
④HIV(HTLV-III/LAV)
高橋 浩文
1
1順天堂大学医学部内科
pp.724-727
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204577
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HIV感染症においては,図1に示すごとく,感染2〜8週後から血中に抗体の出現を見る.初感染症状を除くと,抗体の出現は臨床症状の出現に先んずることが多く,また臨床症状自体必ずしもHIV感染症に特異的ではなく,他のウイルス性疾患や悪性リンパ腫をはじめとする悪性疾患と紛らわしいため,本疾患の診断上欠くことのできぬ検査となっている.
参考までに臨床症状とHIV感染症の分類を表1に示す.現在,スクリーニングとして用いられている抗体検査法は,EIA(ELISA;enzyme-linked immunosorbent assay)1,2),および日本で開発された粒子凝集法3)であり,確認試験として蛍光抗体法(IFA)4)およびWestern blotting法5)が用いられている.さらには,確認用EIAとしてウイルスのエンベロープ蛋白(gp120)に対する抗体,コア蛋白(p24)に対する抗体を別々に測定するキットも入手可能で,臨床症状の進行とともに抗p24抗体が消退することが報告されている.
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