今月の主題 膵・胆道疾患の臨床
胆道疾患診療のポイント・アドバイス
急性胆嚢炎の治療
谷村 弘
1
,
杉本 恵洋
1
1和歌山県立医科大学・消化器外科
pp.1332-1334
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222615
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●胆石による腹痛と胆嚢炎の鑑別
胆嚢炎に胆石を伴った場合には,いわゆる"疝痛"が就寝後に起こり,しばしば救急患者として来院する.その際,ショックの有無,腹壁の筋性防禦やBlumberg徴候など腹膜の刺激徴候の有無に注意して,緊急手術を必要とするかどうかを速やかに判断する.
その鑑別は,ブスコパン®20〜40mgなど鎮痙剤を20%ブドウ糖20mlに混ぜて,ゆっくりと静注する.注射終了後10分位して,もう一度腹部を触診すると,腹部の緊張がとれて腹部所見の正確な範囲あるいは緊急処置の必要性の有無を確認でき,急性胆嚢炎の手術適応の決定に役立つ.
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