今月の主題 膵・胆道疾患の臨床
膵疾患診療のポイント・アドバイス
薬剤による膵炎,アルコールによる膵炎
建部 高明
1
,
吉田 和正
1
1国立水戸病院・消化器内科
pp.1306-1307
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222607
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●薬剤による膵炎
近年,薬剤の投与を契機として発症した膵炎の報告は増加しつつあり,問題とされる薬剤はおよそ50種類にも達している.
1980年にMalloryら1)は,薬剤性膵炎の根拠として,膵炎が,1)薬剤投与中に出現すること,2)投与中止によって寛解すること,3)再投与によって再発することの3点を提示し,約30種類の薬剤について根拠の確からしさを考察している.その後に報告された新たな薬剤を網羅して,Malloryら2)は同様の基準から薬剤性膵炎について再度考察している.このreviewを紹介しながら,薬剤性膵炎についての知見を要約してみたい.
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