今月の主題 膵・胆道疾患の臨床
膵疾患診療のポイント・アドバイス
重症膵炎の診断と治療
山本 正博
1
,
斎藤 洋一
1神戸大学医学部・第1外科
pp.1302-1305
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222606
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重症膵炎では膵臓の出血,壊死などを主体とした膵局所の病変にとどまらず,早期から全身重要臓器の機能障害と後期には感染や出血を伴って,その治療成績はきわめて不良である.したがって,本症の診療にあたっては,局所と全身の多様な病態をできるだけ早期にかつ的確に把握し,各病期,病態に即した適切な治療法を選択する必要がある.
このたび,厚生省特定疾患難治性膵疾患調査研究班により急性膵炎の全国調査が実施され,わが国における本症の臨床実態が明らかにされた1).ここではその集計結果も参考に重症膵炎の診断と治療について概説する.
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